耳コピのコツ 2: 音階を数字で覚える

Submitted by admin on Mon, 06/27/2016 - 19:38

ポピュラー音楽と呼ばれる音楽にも、ロックやジャズ、R&B、カントリー、ヘビメタなど多くのジャンルがあり、まったく異なるスタイルで演奏されます。しかしそんなまったく共通点が無いかに思えるジャンルにも、一つだけ同じ特徴があります。それはそれらの曲が、ある中心となる音を基準として曲が構成されている、ということです。その中心となる音をトニック(主音)、または「1」と呼びます。メロディーの中でこのトニックが聞こえると、「わが家」に戻ってきたような感覚をおぼえます。その音はメロディーの中で一番安定した音であり、多くの場合一連のメロディーの最後を飾る音になります。

そのような音楽のことを調性音楽といいます。調性音楽で使われるメロディーはすべてトニック(主音)からの距離によって数字で各構成音を表せます。何でもいいのでメジャースケールの音階を選んで、スケールに1~8までの番号を振ってみてください。トニックは1になりますので、あとはそこから順番に数字を足していくだけです。例えばCメジャースケール(ハ長調)ではこんな感じになります。

1: C(ド)
2: D(レ)
3: E(ミ)
4: F(ファ)
5: G(ソ)
6: A(ラ)
7: B(シ)
8: C(ド)

メリーさんの羊を例にとって考えてみましょう。Cメジャーのキーでこの曲の最初の部分は、E - D - C - D - E - E – E(ミ・ファ・ド・ファ・ミ・ミ・ミ)になります。これは3 - 2 - 1 - 2 - 3 - 3 – 3のように表記できます。もし音名だけでこの曲を覚えていて、調を変えなければならなくなったらどうでしょう?音を最初から覚えなおさなければなりませんね。でもこのような番号で覚えていれば、番号は調が変わっても同じなのであまり問題にはなりません。ですから曲を聴いたり覚えたりするときに番号で覚える習慣をつければ、キーが変わって、例えばハ長調からニ短調で弾かなければならなくなったとしても、比較的簡単に転調して同じ曲を弾くことができるのです。実のところ、音と対応する番号の関係を理解することは、相対音感というコンセプトの中の大きな位置を占めています。それは耳コピをめざす上での必修のスキルなのです。

次に何か曲を聴くとき、その曲のトニックを当てて歌えるかを試してみてください。そして曲で使われている特定のフレーズのメロディーを数字で言い当てられるかにチャレンジしてみてください。慣れてくれば曲のキーがわからない状態ですら、数字で曲を書き出すこともできるのですよ。

パドル・ピッチはメジャースケール、マイナースケールの音を数字で聞き分ける耳を養うことができるようにデザインされています。相対音感を磨く上での良いベースとなるはずです。

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